静水圧とは、静止した水の中に働く力のことです。これは、水の重さによって生じる圧力で、水理学ではゲージ圧力(gage pressure)というもので考えます。ゲージ圧力とは、大気圧に等しい圧力を基準とした圧力のことで、液体表面の圧力を0と考えます。これに対して、絶対圧力(absolute pressure)という真空での圧力を基準とした考え方もあります。
ゲージ圧力と絶対圧力の関係は通常、
さて、ここで圧力の話はおわって静水圧の話に戻りましょう。静水圧$p$[N/m2]は、液体の密度を$\rho$[kg/m3]、重力加速度を$g$[m/s2]、水深を$z$[m]として
静水圧には重要な二つの性質があります。それは
1)静水圧は考えている面に対して常に直角に働く
2)水中のある点における静水圧の強さはすべての方向で等しい
という性質です。1)は曲面に作用する圧力を考えたり、斜面に働く圧力を考えたりするときに必要となります。2)は問題を解く上では、それほど必要になることはないのでそんな性質もあったなぁ…程度でいいでしょう(笑)
では、ここで静水圧に関する例題を見てみましょう。問題を解けないと、知っているというだけで使えない知識となってしまいます。いきなり解ける必要はないので、解説をみて勉強してください。
1)水面から7mの点に作用する静水圧はいくらでしょうか?水の密度を1.0×103 [kg/m3](←覚えましょう!)として考えてください。
2)下の図のように水槽に底から3.0mまで水を入れ、その上に水の表面から2.2mまで油を入れました。油の表面から1.5m下での静水圧と、油の表面から4.5m下での静水圧はいくらでしょうか?油の密度は0.8×103[kg/m3]として考えてください。