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有機物の分解

生物が有機物を摂食して分解する方法はいくつかあります。それは、生物の種類によって異なり、またその環境の酸素量に応じてどの分解方法が卓越するのかが決まります。酸素が多く必要な順に(1)~(5)までの分解方法を示していきます。ここでは便宜上、有機物はPOMで反応後生成されるものの共通部分をAで表します。ちなみに、POMとAは

POM = (CH2O)106(NH3)16H3PO4
A = 106CO2 + 16HNO3 + H3PO4
のことです。

(1)好気的
POM + 138O2 → A + 122H2O
(2)硝酸還元
POM + 84.8HNO3 → A + 42.4N2 + 148.4H2O
(3)酸化鉄の還元
POM + 212Fe2O3 → A + 424Fe2+ + 530H2O
(4)硫酸塩の還元
POM + 53SO42- → A + 53S2- + 106H2O
(5)メタン発酵
POM → 53CH4 + 53CO2 + 16NH3 + H3PO4

(4)はこのあと硫化水素を生成します。その硫化水素は鉄と反応して黒い硫化鉄になります。(5)は無酸素の状態で反応します。メタンとアンモニアが生成されるので独特の臭いを持つようになります。


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